人生(主語がデカい)

いきなりですが、映画「さよならの朝に約束の花をかざろう」を見に行きました。絵は流石P.A.WORKSの作品だけあってとても綺麗でしたし、話もまとまっていて良い映画だったと思います。興味がある方は是非見に行ってみてはいかがでしょうか。

 

さてここからが本題なのですが、あくまで私一個人の感想なのですが、さほど面白いなと思うことが出来ませんでした。何故面白く思えなかったのかについて考えていこうと思います。

普段僕がアニメだったり小説だったりを楽しむときに大事にしてるのはその物語に共感出来るのか、といった観点です。すごい簡単な例で言うと例えば主人公が男子大学生だったりすると(四畳半神話大系とか)今の僕は物凄く主人公に共感を抱くことが出来るでしょう。しかし共感を抱くのに必要なことは、なにも自分と立場が近いことではありません。PSYCHO-PASSやハーモニーの登場人物とは、境遇はとても似ても似つかぬものですが、僕は彼ら、彼女らに共感することが出来ます。大事なのは登場人物の判断や感性が自分の価値判断に照らし合わせて妥当か、どうかということです。要するに主人公と価値観が近いかどうかが共感できるかどうかに関わってきます。そして、共感出来る物語であれば僕は登場人物に感情移入して物語を面白いと思うことが出来る、というわけです。

さて、話は戻って映画の内容をざっくりまとめるとある親子についての物語です。主人公がみなしごを拾い、懸命に母親として頑張るといった内容でした。友人曰く、いわゆる「人生礼賛」といったようなところでしょうか。

今思い返すと映画鑑賞中僕は登場人物にほとんど感情移入しいませんでしたし、なんなら隣のおっさんめちゃくちゃ泣いてるな~と観察していたほど映画に集中も出来ていませんでした。

勘の良い方ならもうお気づきでしょうが、僕はこの映画の主張と反対する人生の捉え方をしています。まだ齢19でも一応人生観的なものはありますが、その中に結婚や子育てと言ったものは全く入っていません。というか元々期待すらしていませんし、なんなら仕事終わって人生つまらなくなったら自殺!wとかまでのたまえるほどです。僕の中で重要なものはどちらかというとどこまで有名な企業で働けるか、昇進出来るかと言ったところでしょう。人間は年になったら結婚して親になるといった「古くさい」価値観には多少の嫌悪感すらあります。

一方で「さよならの朝に約束の花をかざろう」で素晴らしく描かれている価値観と言えば、血も繋がっていないにもかかわらず、親から子に対して無償で注がれる愛だったり、望まぬ子供にも関わらず芽生える愛情だったりします。当然ですが僕の価値観とはとても似ても似つきません。僕が面白いと思えないわけですね。

 

というのが僕が映画を見た感想でした。最後になりますが、僕はこの映画の批判をしたいわけではありません。繰り返しになりますが、絵も物語も声優さんも素晴らしい映画だったと思います。

 

親になる、という話に関してはあるTK生が呟いていたこの記事は非常に面白いと思いました。

p-shirokuma.hatenadiary.com

このブログはこうしめくくられています。

”「若者」をやるべき時期に「若者」的なメンタリティを持ち、自分自身を成長させるのは素晴らしいことだけど、ライフコースの先まで見据えるなら、いつまでも「若者」的であり続けるのが正解とは限らない。その次にやって来る「大人」の季節についても考えを巡らせておいたほうがいいんじゃないだろうか。”

 

しかし僕は未だにこの価値観を理解することが出来ません。少子高齢化の解決のためなどが主張の根拠に挙げられることがありますが、問題の原因は自分たちではありませんし、そんなに簡単に解決される話ですらありません。まるで利用されているかのような感覚には反発感すら覚えてしまいます。